2016年2月19日金曜日

碧いうさぎの戦い

2009年8月07日付の新聞が衝撃的なニュースを報道しました。

華やかな経歴を持った女優がひとり、去って行った。
大原麗子孤独死」のステレオタイプな見出しに、テリー伊藤氏は怒りをぶつけた。さらに一般の方々が「孤独死」に萎縮してしまうと訴えた。
テリー伊藤氏に拍手喝采したい気持ちにかられました。

大原麗子自身が選んだ終わり方に反して、「こんなものでいいでしょう」とやっつけ仕事が巷にあふれている。知る限り、テリー伊藤氏と同じ意見を聞いたことがない。

その一方で、同じ日、のりピーこと酒井法子逮捕というとんでもない事件が起こった。善良な心を持った人々にショックを与えた。
ナニを信じたらいいのか、信じる事の危うさを植え付けたといっても過言ではない。

自ら出頭した酒井法子の対して、同じテリー伊藤氏が、今度は甘やかしすぎだと怒った。ひとりで解決しようとせずに、終始誰かのサポートを受けながら収束に向かうのりピーへの苦言だ。

「犯罪者」の烙印を捺されてもなお、優しい視線を投げ続けるのりピー所属のサンミュージックプロダクション社長にも「その愛情が彼女をダメににする」と切って捨てた。厳しい言葉のなかにテリー伊藤氏の強い愛情が感じ取れた。

しかし、14歳に芸能界入り、デビューから挫折に至るニュース映像を観た瞬間、酒井法子に同情を禁じえず、愛情ある叱責は間違いでないけれど、疑問も持った。

マリリン・モンローを思い出した。
酒井法子は4歳で母と死別し、実の父親とも別居。親戚を転々としたという。つまり物心ついた頃から両親がいない状況で転々としながら暮らしてきたという。実の父親はその間別の女性と交際、結婚して一子を儲けている。彼女はその弟を知らなかったという。その父親とも18才で死別。

オーディションに落ちた酒井法子サンミュージックプロダクション社長が引き受けてデビューにこぎつけスターに押し上げた。
15歳の酒井法子の明るく朗らかな態度とは裏腹な悲しい実生活とのギャップは異様としか言えない。

自分を守るために、いい子になって生きて来た女の子は仮面をかぶることに慣れていたように感じる。仮面をかぶり続けた少女が、太陽なようなアイドルの仮面をかぶることは歌うことより、簡単ではなかっただろうか。

彼女が所属したサンミュージックプロダクション社長は、芸能界における彼女の気遣いのあり方に触れて、信じてやりたいというようなことを言った。
それが間違いだと言う人もいるが、彼女に関していうなら、それでもなお、信じてあげることが必要なのだと思う。彼女を救い更生させる方法は、信じてあげることだと思う。

人には自分にも分からない「ブラックボックス」がある。
どれほど人気があっても、生きるために演技を身につけた碧いうさぎには、本当の自分を知ったら人はみな自分を捨てると謝った確信を持ち続けただろう。持ち上げるだけ持ち上げて、一旦なにかあるとよってたかって叩く村八分的な攻撃に、彼女もさらされるのだろう。

のりピーが確信したかった思い込み通りの結果になるかも知れない。今回の事件は未解決な問題がもたらす災いの前兆に過ぎないのかも知れない。家庭のイメージもなく、子育てのイメージもない人が平凡に生きることは難しい。

なによりもつらいのは、イメージができない、普通が分からないことだ。
これは「アルコール依存症者の子どもたち」に共通して通じる悩みなのです。

今回の事件で、自分のこどもに自分のこども時代と同じ境遇を再現したことに、のりピーの身についた生きる構えがある。これこそのりピーのイメージだ。

しかし、負けてはいけない。助けを求めて、サポートを受けながら、ライフスキルを身につけながら健全な暮らし方を身につけていくことだ。

今回の事件の背景にどんなことがあっても、よくないことはよくない。それでも信じてあげることが大切なのだと思う。「よく、がんばったね。」と認めてあげることから、のりピーの再生は始まる。支援するファンに応える唯一は罪の償いを果たして本当の幸福、つまり自立・・・なれる最高の自分になることだ。碧いうさぎの戦いは続いている

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