2015年10月14日水曜日

危機的状態を生活の最大の目標にする人たち





アルコール依存症者の子どもが、体験する危機的な事態に慣れてくると、生活が安定した状態になると逆に落ち着きがなくなり、不安になるのは、想像にたやすいと思います。

これが原因で危機感がなく平和な状態が続くとストレスになることに気がつくには容易ではありません。

禁断症状から自ら危機を引きおこし、生き延びることに熱中してしまうのです。

生きている実感を味わうために人との関わりを求め、関わりの中で、危機を引き起こします。それは大抵の場合、自分にとって大切な人との間で起こします。大切でない人との間での問題行動は危機にならないからです。


この危機は、なんら将来に貢献しません。ただ毎日を生きるためのもので、行動は違っても性質は「アルコール依存症」と同じです。アルコール依存症者の苦悩は継承されるのです。

この最大の原因は、自分は価値ある存在だと思うことができないことにあります。
価値ある存在と大切にされなかった日々の体験が挫かれてしまったのです。

「おまえのためにこうなった」と言われ続けると無理のないことです。
それでも、アルコール依存症者の子どもたちは、生きるために愛を求め、求めるが故にしなくていいことに尽力してきたからです。約束を破られても平然とした顔で過ごすことに慣らしていったのです。

このために正当な権利を持つ感覚を失ってしまっているが故に、自分の気持ちに気づかない方法を身につけてしまっているのです。

そのために、自分自身を信頼できずに、「白か黒か」「すべてか無か」という極端な方法でしか見ない習慣が身についていて、それを求めるものに要求するため、親密になれる関係を破壊してしまうことを繰り返してしまうのです。

この厳しい問題を解決するには、「自分の気持ちに気づかない方法」つまり強固な壁を崩すことが欠かせませんが、生きるために築いた壁なので、不安に苛まれることになります。したがって自分が明確に「崩す」意識を持つことがとても重要になります。意識を持っても一進一退が続くからです。一刻も早い解決に向けてスタートを切ることが望ましいと言えます。

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